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軽井沢の花たち

  • ツリフネ
    軽井沢の庭に咲く花を集めてみました。東京では見られない花がたくさんあるのに、驚きます。

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2つの出来事・・その11

ひとりぽっちで、軽井沢の家に
取り残されてしまった私。

その夜は、
もう、睡眠薬は飲みませんでした。
だって、眠っちゃうと、無意識に体中を
ひっかいてしまうからです。

掻けば、掻くほど、どんどん
私の体は編み目は増え
痒さも、ひどくなるばかりなんですから。

そんなことになったら、
もっと大変になってしまう。

・・・・・・・・・・・・・・

とにかく、ベットには入ったんです。
眠ろうと頑張ってみたんです。

だけど、だけど、

痒くて、痒くて眠れるものじゃありません。
ただ、ただ、じっと、
早く朝になれ!!
夜が明けてくれ!!と、
痒みを我慢しながら祈るばかりでした。

翌朝のことは
あんまりよく覚えていません。

頭にあったのは、
10時の予約までに、とにかく
浅間総合病院の皮膚科に行くことだけでした。

食欲もなく、何を食べたのか
食べなかったのか、
それさえも、はっきりしないんです。

でもね、
ただ一つだけ、はっきり覚えているのは、
病院に行くときに持っていくものを
探している姿です。

だって、私の脳細胞は
もうそのころには、しっかり
「入院」っていう、2文字でがっちり
固められちゃっていたんですから。

「歯ブラシ、コップ、そして、寝間着」と

入院セットをしっかり整え
家の戸締まりもして、
先生に「入院」といわれても
困らない支度を済ませて
私は、9時半頃家を出ました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

丁度、9時55分頃浅間病院に着いたと思います。

受付の人に、軽井沢の病院からの
紹介状を渡すと、
確かに、地域連携が整っていたらしく
受付も、カード作成も終わっていて
すぐに私は、皮膚科の診察室の前に通されました。

最近あんまり病気をしないので
大きな病院へ行くのは
久しぶりだった私は、
4百番台の番号を貰いました。

このごろは、病院では個人情報の保護とかで
名前で呼ばれないんですね。

皮膚科の前の電光掲示板には
第一外科、第二外科、形成外科の診察番号と
一緒に、皮膚科の診察番号も示されていました。

そうですね、

およそ、30分以上待ったでしょうか・・・・

その間、私は又しても
妄想にとりつかれておりました。

娘は4日で退院だったなあ・・・・
私はどうなんだろう?
(もう、このころは、入院するものと思ってた!!)

ひょっとして、もっとかかるかなあ・・・・

あれ?

そうしたら、娘は一人になっちゃうよ・・・・

もう、どうすりゃいいのよ・・・・・

あの子一人じゃ帰るわけにも行かないし・・・・・

この病院、私のそばに娘も一緒に
おいておいてくれないかなあ・・・・

全くねえ・・・・・・

我が思考ながら、とにかくあきれちゃう。
どんどん、どんどん、
悪い方へいっちゃうんだからねえ・・・・・

と、その時・・・・・・

「421番さーーん
皮膚科の診察室へどうぞ」
という、コールが聞こえてきたのでした。

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

診察室に入ると
先生が、私が受付で渡した
軽井沢の先生からの紹介状を読んでおられました。

それから、おもむろに顔を上げて

「それじゃ、患部を見せてください」と
おっしゃったのです。

私は、右の腕を上げて包帯を取りました。
(あんまりひどく痛むので
薬を塗った患部にアイスノンを乗せて冷やしていたの)

それから、腹部、足、と、順に見せたのです。

そうしたら・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

暫く、それをご覧になっていた先生が
静かに言った!!

「これは、漆だね・・・漆のかぶれだよ」

はあ?

「漆のかぶれ?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あのーーーー帯状疱疹じゃないんですか?」

「違うよ、帯状疱疹は全身にはでないからね」

「じゃあ、あの私が飲んだお高い薬は?」

「あれは、感染症の薬だからね、効かないでしょう」

「それじゃ、あの、あの・・・漢方薬も?」

「ああ、漢方薬ね・・・」

「抵抗力が上がるっていう・・・・・」

「うーん、そうだねえ、あんまり関係ないなあ」

ああああああああ・・・・・・・

ああああああああ・・・・・・・

ああああああああ・・・・・・・

ああああああああ・・・・・・

なんと言うこと、なんたるお話・・・・・

私が効くと思ってせっせと飲んでいたあの薬は
いったいなんだったのよーーーーーー

「でも、それじゃ、私のいっぱい飲んじゃったあの薬は・・・
あの薬は、大丈夫なんでしょうか?
副作用なんてことは・・・・・・・・?????」

「そうだねえ・・・・確かに、いっぱい飲んじゃったねえ・・・
2倍も飲んじゃったんだ・・・・」

「ええ、そうなんです、どうなるんですか?」

「うーん、大したことにはならないと思うよ。
そうだなあ、下痢するぐらいかなあ・・・・・
どうですか?下痢なんてしてませんか?」

「してませんけど・・・・・・」

(実はね、この後、家に帰ったら、しっかり下痢になった。
たぶん、私の体の方が、
この名医の言うことを聞かなくちゃあ
まずいと思ったんでしょうね、
2,3日お腹の調子が悪かったです)

先生のお話は、まだまだ続きました。

「漆のかぶれだと思うよ、春先だったら
桜草でかぶれる人もいるんだけどね、
この時期では、漆 しかないなあ・・・・

うるし・・・そうだねえ・・たぶん

つたうるしじゃないの?」

「つたうるし・・・・・つたうるし・・・・・
つた・・・・・つた・・・・・」

私の頭の中に電気が走りました!!!!

本当に、ぴぴーーーーーっと走ったんです。

「あれだ!!!!あれだわよ」

そうなんですよーーーーー

あれなんですよーーーーーーーー

この出来事の最初の所から読まれている方は
たぶん、もう分かっちゃってますよね!!

あれなんです。

(見てない方は、2つの出来事・・1をご覧下さい)

私が、ふうちゃんが東京に帰る日に
我が家の、庭にある木に付けた

鳥の巣箱!

あれを見てください。

あの巣箱の横に着いている葉っぱ!!

あれがつたうるしだったんです。

日にちもぴたり!確かに、ふうちゃんが帰ってから
私の体の調子がおかしくなったのですから。

目の前に、情景が浮かびました。

巣箱を取り付けていたとき
あの葉っぱにさわっている姿です。
ガサガサとした、手触りの悪い葉っぱだった。
チクチクして、痛かった・・・・・

あれなんだ・・・・
私の体の、この変調の大元は
あの葉っぱに触ったせいだったんだ・・・・・と
まさに、まさに、目に鱗の一瞬でした。

要するに、私はまあ、いわゆる誤診を
された訳なんです。

だけどですねえ・・・・

あのね・・・・・・

誤診をした、軽井沢の病院の先生の
名誉のために、申し上げなくちゃ
いけないんですが、

実は、こんなことになっちゃった責任の
半分ぐらいは、私にもあったんです。

というのは、
じつは、私が娘と一緒に最初の最初に
この症状を病院の受付の人に見せたとき
聞かれていたんですよ。

「漆に触りませんでしたか?」

「山に行きませんでしたか?」ってね。

だけど、それに対する、私の連想がまずかった!!!
とにかくまずかったんです。

「漆」=漆器に使う、漆の樹液を取る木

「山に行く」=登山する=ハイキングに行く

だったんですから。

私は、漆の木なんて見たこともないし
どんな木かも知らない・・・・
だから、私は漆になんて触ってない・・・・・

私は、山にハイキングになんて行ってない。

私がやっていたのは、

我が家の「庭で」

ただ、ただ、
鳥の巣箱を取り付けていただけなんですからね。

その庭がある、我が家が、
軽井沢の山の中にあるなんて
全然、全く、ちーーっとも、
考えていなかったんですの・・・・・・・・・・・

げに恐ろしきは、思いこみ・・・・・

そして妄想・・・・・・・・・・・・・・・・

「思いこみという、ねじ曲がった

ふかーーい、ふかーーい川を渡って

安直と、妄想のたちこめる森を抜け出たら

そこには、「誤診」と言う、とんでもない泥沼が

口を大きく開けて待っていた」

と言うのが、今回のとんでもない騒動の結末。

軽井沢の病院の先生方
どうぞ、東京からやってくる
無知な都会人にご注意を!!

問診するときには、

「漆に触りませんでしたか?」と聞いてはダメです。
「漆や、ツタ漆に触りませんでしたか?」と
お聞き下さい。

「山に行きませんでしたか?」と聞いてはダメです。
「山のような所にお住みではないですか?」と
お聞き下さい。

そうでないと・・・・・・・・

飛んでもなーーい、恐ろしい誤診に
つながりますよーーーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まあ、これで、この馬鹿みたいな出来事の
話は終わりであります。

えーっと

娘の病気のことや、私のことを心配して
下さっている方に、その後のことを
ご報告しますと

娘は、29日の日に退院しまして
今は、すっかり元気でお稽古ごとや
エアロビに出かけております。

私の方は・・・・・・・
まあ、ちょっと、かぶれがひどくなっちゃって
ますので、簡単には治らないらしい。

娘が退院した翌々日
8月31日の早朝私たちは東京へ帰りました。
浅間病院の皮膚科の先生から東京の
皮膚科の先生への紹介状を持って。

現在、その先生の元
副腎皮質ホルモンをしっかり飲んで
治療中です。
このホルモン剤、特効薬だそうで
すっかり腫れは引き、
痒みも全くなくなりました。

(ただ、この薬、劇薬みたいですよ。
何でも、医師の指示通り飲まないと、
命に関わるそうで)

ながーーい、ながーーい、何ともばかばかしい
出来事の顛末を
最後までお読み下さった方
本当にありがとうございました。

最後に、

東京へ帰ったとき
ふうちゃんが、私に最初に言った言葉を書いて、
終わりとさせていただきます。

「そうだよなあ・・・・・・・・・
おかしいと、おもったんだよーーーーーー

この暑い猛暑の東京で、
せっせと仕事をしている俺が
体力や、抵抗力がなくなるっていうなら
わかるけどさ・・・・・・・・

涼しい軽井沢で、のんびり遊んでいる
お前の抵抗力がなくなる
わけがないんだよなあ・・・」

まあね、確かに、言われてみれば
そうなんだけどね・・・・・

だけどね・・・・・

だけどね・・・・・

だけど・・・・・・・

大体ね、ふうちゃんが風邪を
娘に移さなきゃ、こんなことには
ならなかったんだからね。

それにね、鳥の巣箱だってね
高いところが苦手なんて
言ってないで、
ふうちゃんが付けてくれてれば
こんなことにならなかったわよ。

原因の大元は
ふうちゃんなんだから

そこんところ、ちゃんと分かって貰いたいわよ・・・フン!!

結局、私って、最後はやっぱり
フンのピーコだったのでした。

お粗末!!

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コメント

★ふうちゃんへ

全く、そうそう、面白い落語に出会うわけがないじゃないの。出会っていたら、体が持たないわよ。
後から読めば確かに喜劇なんだけど、やってる最中は、霧中だったんだから。
世の中、色々あります、本当にね。

★葵留実さん、いらっしゃいませ。

そうなんですよーーー、漆・・じゃなくて、ツタ漆って、いってくれれば、もっと早く気が付いたと思うんですけどね・・・なにせ、思いこんじゃいまして。
でもねえ、よくよく考えてみれば、あの葉っぱに触らないよう、別荘地の管理の方がおっしゃってたような気もするんですよね。軽井沢は素敵なところですけど、やっぱり山なんだなあと、改めて分かりました。
霧ですか?私も、以前碓氷峠の辺りで、ものすごーーーい霧に出会いましたよ。30センチぐらい先しか見えないの。ひたすら、道路の白い線を見て走ってましたね。怖かったです。

話が終わって、確かに、後から読めば新作落語。
この間、何と、アクセスが100を越え、最後の日には200を超えました。ここまま行けば真鍋かおり並の人気ブログになるところですが。
ピーコも息切れしているようです。
とにかく、私が読んでも面白かったです。
お付き合い頂いた皆様
ありがとうございます.

大変お疲れ様でした。確かに漆って山の中に自生してますからね。うっかり触っちゃうこともありますよね。まして、どんなものか知らない都会人には、わからないこともありますよ。お大事に・・・ ちなみに私も漆かぶれになる体質です。
ところで、ちょうどピーコさんたちと入れ違うように佐久周辺に出没してました。車で行ったんですが、妙義山辺りから霧が立ち込めてすごかった~ ひさし振りにあんな濃い霧に遭いましたよ^^;

★タムさん、ありがとうございます

最後までおつきあい下さって感謝です。
このお話、というか、出来事、最初は本当に真面目に真面目に大変だったのよ。だけどどう考えてみても、最後は喜劇よね・・・・
文章力を高く評価していただき、なんと言っていいか・・・ハハハ
もちろん、いいですよ。嬉しいお言葉です。
読んでくださる方が増えるのは、とっても楽しみですもの。どうぞよろしくお願いいたします。

こんばんは!WAhahahaha・・・
おちはこれだったのですね~。まるで新作落語の話を聞いてるみたいで、すご~~く楽しかった(人ごとですいません!)です。
深刻な部分もありつつ、持ち前のピーコさんの明るさとユーモア、文章力ですごくドラマティックなお話で惹き付けられてしまいました。素晴らしい才能をお持ちだと今さらながら感心し感動をさせていただきました。
お嬢さんは完治なさったということで良かったですね。ピーコさんの方はまだ病院にかっかているということで本当にお大事にしてくださいね。

でも、私も漆はかぶれることを知っていても、漆がどんな木なのか葉なのかも知りませんでした。私がピーコさんと同じことをしたら、きっと同じような結果になったと思います。勉強させていただきました。

ピーコさん、お願いがあります。この「2つの出来事」シリーズのことを私のブログの記事で紹介したいのですが駄目でしょうか?中身は「こちらのブログを読んでください」と言う形で記事を書きたいのですが・・・?でも、ピーコさんご自身の承諾を得ずに勝手には掲載できません。また、「困る」と言うことでしたらしっかりあきらめますので遠慮なくおっしゃってください。宜しくお願い致しますm(_ _)m pekori!

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