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ふうちゃんの式辞

 ふうちゃんは、小学校の校長をしています。昨日は卒業式でした。その朝、ピーコに式辞の原稿を見せました。どういうわけか、いい式辞だとめずらしく誉めてもらいました。こんな授業を受けたいとも言っていました。

 ブログで公開したらとすすめてもらったので少し長い文(読むのに11分かかりました)ですが、公開することにしました。

 

  82名の卒業生のみなさん。ご卒業おめでとうございます。

 さて、皆さん。今から6年前、小学校に入学した日のことを覚えていますか。

 ここにいる卒業生のみなさん73名の人は、C小学校で入学式を迎えました。あと、9名の人は、C小学校以外の小学校で小学校生活のスタートを切っています。それも、その学校のあるところは、アメリカのニューヨーク、ミャンマーのヤンゴンと海外の2ヶ国、国内の岩手、東京、千葉、大阪、福岡の1都1府3県に及んでいます。

 このことから、どんなことが言えるでしょうか?

 C小のあるこの地域と、国内各地や海外と人の動きや交流があると言うことです。いろいろな土地で育った人々がC小のある地域に集まり、共に生活しているのです。 

  国際化と言われますが、皆さん自身が、その国際社会の主人公になって活躍していくことが期待されているのです。

 さて、6年生の皆さんとは、5月と9月に社会科の授業をする機会に恵まれました。鎌倉時代の武士の登場と移動教室を前にして、黒船の来航についてでした。

 これからのお話は、第3回目の授業だと思って聴いてください。

 心の中でハンドサインを使って聞いてくれたらうれしいです。

 

 「夕べの、どしゃぶりの雨がやみ、むっとする暑さであった。午後の詰め所に一瞬まどろむような静けさが広がる。群青の海がぎらりと光った。

 と、水平線の彼方に4つの黒い影。まがいようもなく、まっしぐらに近づいてくる。

見張りの侍が息をのんだ、指令が飛ぶ。伝令が走る。

 だが、巨大な侵入者は、みるみる視界から遠ざかっていった。

 黒船あらわる。

 江戸湾の入り口にある浦賀奉行所に伝令の第一報が入ったのは、黒船艦隊がすでに錨を下ろした後であった。

 『およそ3千石積みの舟4隻、帆柱3本立てるも帆を使わず、前後左右、自在にあいなり・・・・あたかも飛ぶ鳥のごとく、たちまち見失い候』

 嘉永6年6月3日のことである。

 そうです、黒船が浦賀に来航し時の様子ですね。

 このときの幕府の慌てぶりについては、

 「太平の眠りをさます上喜撰、たった4はいで夜も眠れず」という川柳を紹介しました。

 今日は、実際の浦賀の奉行所でこのときに黒船に向かっていった2人、与力の中島三郎助とオランダ語通訳堀辰之助の働きを紹介します。

 2人は、小さな舟に乗って黒船に近づきました。

 みなさんなら、ここでどのようにしますか?

 黒船の近くまで来ると通訳の堀が下から大きな声で

 「I can speak Dutch」

  「自分はオランダ語が話せる」と独学で学んだ英語で話し掛けたのです。

  黒船に乗り込むことに成功した中島は、堀の通訳もとで、2日間にわたって粘り強く交渉し、国書受け取りの段取りをまとめあげました。

 ペーリー提督は、久里浜に上陸し、大統領フィルモアの国書を幕府に届けることができたのです。

これ以後数多く行われることになった日米交渉の第一歩を踏み出したのは、この2人の活躍でした。

歴史の教科書に登場してこなくても、自分の置かれた立場にあって、最大限の力を発揮し,歴史上の難局を乗り越えていった多くの人々がいたことを知ってほしいのです。 

授業はここで終わりです。

 私は、卒業文集に下田で黒船に乗り込もうとして捕らえられた吉田松陰の「飛耳長目」について紹介し、自分の家から外に出ることを許されなくなってからも、全国にちらばった弟子から手紙をもらうことで、各地のことがよく分かっていたと述べました。

私はこのことが可能になったのは、松陰が全国各地を自分の足で歩き、自分自身で見聞したことをもとにして、いろいろな情報の本当の意味がわかったのでないかと思います。

みなさん自身が、現実から離れたバーチャルな情報だけを頼りにすることなく、本物に触れる、自分自身でその意味を解き明かすために努力することを期待しています。

  そのことを実現するためにお願いしたいことが2つあります。

 一つは、正しい日本語の使い手になって欲しいことです。

 日本語は伝統のある美しい言葉だと私は思っています。

 平仮名、片仮名、漢字と長い時間をかけて私たちの祖先がはぐくんできたものです。日本語には、日本と日本人のよさが集積していると言っても過言ではありません。そのよさを皆さん自身でしっかり身に付け、そして皆さんの手で、次の世代に引き継いで欲しいのです。

 二つは、世界の多くの人々と直接コミュケーションできるような言葉、例えば、「英語」「仏語」などを身に付けて欲しいと思います。 

 江戸時代の堀が独学で英語を勉強したときに比べ、外国語を学ぶ環境はみなさんの方がより恵まれていると思います。

通訳を通さず世界の人々と直接コミュケーションできることは、お互いの理解を深めるためにも大切だと思います。

 皆さんが 日本語を大切にし、その基礎の上に立ち、世界の人々と直接コミュニュケーションができる言語を身に付け、国際社会で活躍される日が来ることを楽しみにしております。

 

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コメント

クローバーさん
コメントありがとうございます。
言葉にはいろいろな機能と言われています。
意味を理解し伝える。
ものを考える。
きもちや心を表現する。
このことを4年生ぐらいまでに、自分の言語(母語)で
出来るようになることが大切だと言われています。
外国語は、それからでも十分です。
確かに、小さいとき学んだ英語の発音はきれいです。
でも、ことはは、発音だけでないように思います。

とても感動的なお話ですね。うちの子が通う小学校は4年生から卒業式に参加することになっているので、長男は今年、初めて卒業式というものを体験しました。(感想は聞いていませんが、何かひとつでも心に残ってくれれば…と思っています)

親として、子供にはせめて英語くらいは不自由なく話せるようになってほしいと思いますが、まずは日本語が基本なんですね。(最近の子供たちの言葉づかいを聞いていると、テレビで覚えたのか、耳を疑いたくなるような言葉が飛び出してビックリすることもあります)

リキさん
コメントありがとうございます。
少し、恥ずかしい気もしましたが
ピーコに進められて載せました。
このようなコメントを頂くと
載せてよかったと思います。

タムさん
こんばんは。
式辞お読み頂きありごとうございます。
本校は、卒業生に将来の希望、中学に行ってやってみたいことを、式の中で言わせています。
英語を学んで世界で活躍したいというものが、比較的多くおります。しかし、日本語を学びたいというものは、ほとんどおりません。まず、自国の言葉をマスターすることが、英語を学ぶ上でも大切なんだということを
知らせたいと思っています。
自分の考えをしっかり持つことが大切だと思います。
自分の考えを英語で考えるものは、全くと言っていいほどいないからです。

ふうちゃん校長先生のお話、素晴らしい!!
感動しました。
いい式辞を読ませて頂まして、ありがとうございます。読みながら、ふうちゃんが卒業式の壇上で皆さんにお話をしている姿を思い浮かべました。
いい校長先生の下、素晴らしい子供達が巣立って行ったことでしょう。
全員がこれからいい人生を歩んでほしいですね。^^

おはようございます。貴重なお話を聞いて(本当は読んでですが・・・、一瞬その卒業生の親のように体育館で聞いていた錯覚になりました・・・)拍手を送ってしまいました(^-^)//""パチパチ
さすが、校長先生。歴史の勉強にもなりましたし、自国の言葉を愛し、かつ国際化に対応できるようにという関連付けに大人(のつもり?)の私にもとても心に響くよいお話を聞かせていただきました。ありがとうございます。
話の上手な先生だと授業中の話も引き込まれ、よく頭に入るしその教科や授業が好きになるものです。きっとふうちゃんも教壇に立たれていたときは子供たちに好かれる先生だったのでは?と思われます。

かつて少し教員の経験のある私ですが、ひいき目に見てもどうかと思われる先生が多くなった気がします。先生も人間ですが、プロとして何をなすべきかと言う意識が薄れている先生が見受けられます。もちろん、親に問題がある場合もたいへん増えてますが・・・。
31日に「学校の先生」を集めての番組<先生だって人間なんだ!応援SP>(フジ)があるそうで、見るつもりでおります。

ふうちゃんへ

卒業式が無事に終わってよかったですね。
ご苦労様でした。
久しぶりで、ふうちゃんのお話を読ませてもらいました。以前、ふうちゃんが先生だった頃のお便りや、お話の原稿はよく読んでいたんですが、最近ちょっとご無沙汰でした。というのも、しばらくふうちゃんは学校を離れて、お役所仕事ばかりだったので、読んでいても面白い話がなかったからです。役所の文章って、つまらないものねえ・・・
久しぶりに、読んでいて面白いなというお話を聞かせてもらいました。こんな話を学生時代に聞いてみたかったです。ちょっと小学生には、難しいかなとも思うけど、
それでも、ちょっとでも分かってくれる子がいたらそれでいいのかもしれませんね。
本当にご苦労さまでした。

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